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2024年に初開催され、国内外で注目を集めた回遊型アートイベント「BENTEN 2024」が、「BENTEN 2 Art Night Kabukicho」として今年ふたたび歌舞伎町で開催されます。
「BENTEN 2024」は、街全体を舞台に、国内外のアーティストたちが多様な表現を繰り広げる試みでした。戦後の復興期から前衛芸術家たちが活動の拠点とし、現在も日本最大の歓楽街として独自の文化を育んできた歌舞伎町。その歴史とエネルギーを背景に、三夜にわたりジャンルを超えた表現が街に溶け込み、新たなアートの生態系が可視化されました。
今年のテーマは「都市の再野生化」。都市化が進み、あらゆるものが管理され、制度化されていく中で、本来の創造の衝動や自由な表現がどのように生き残り、進化しうるのか。歌舞伎町という混沌とした都市の中で、アートが再び「野生」を取り戻し、新たな可能性を開く場を創出します。
昨年に引き続き、王城ビル、新宿歌舞伎町能舞台、デカメロン、WHITEHOUSE、東京砂漠といった個性豊かなスペースを横断的に活用し、さらなる拡張を試みます。アーティストたちが街の空間と対話しながら創作を行い、鑑賞者自身も能動的に街を歩き、アートと交わる体験を通じて、都市と芸術の関係を問い直します。
テーマ:都市の再野生化

「100年に一度」と称される大規模な東京の再開発は、劇的な改造を通じて街の秩序を強化する一方で、生物多様性や「都市の野生」を排除してきた。しかし、「夜の街」歌舞伎町は異質である。再開発と並行して、トー横や立ちんぼ、ネズミの爆発的増加、悪質ホストの問題など、さまざまな「不都合」が目立つようになった。
歌舞伎町は、東京で唯一、再開発を契機に「再野生化」している街だと言えるだろう。
さまざまな不幸が報道される事態である一方で、ここは戦後の闇市からアングラ文化、暴力の排除といった治安維持のいたちごっこに至るまで、常に制度の隙間を再生産してきた街でもある。資本を受け入れつつ狂乱化する、その底が抜けたような破壊衝動と開放性は、均一化する東京において稀有なアイデンティティを示し、皮肉にも最も賑わう街となっている。
「野生」の歴史と現在性を、奇しくも再開発と足並みを揃えて誕生した多くのBENTENの会場から検証してみたい。
*本テーマは、都市社会学者・仙波希望氏との会話を引用したものである
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