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生きられた新宿
「Parallax City」
[展示] [トーク]
新宿区百人町1-1-8
photo:中川道夫 他
1975年MoMAで「Shinjuku: The Phenomenal City」と題された奇妙な展覧会が開かれる。今日まであまり振り返られることのなかったこの「新宿展」は、当時の西洋と日本の文化的・地政学的なギャップを皮肉的に表現している展覧会であり、ある限定的な視点によって縮減された「TOKYO」を登場させた。この展覧会にヘンリー・スミスやピーター・グラックと並んでディレクターとして招聘されていたのが、批評家の多木浩二である。優れた都市鑑賞者であった多木によって表現された新宿の姿は文字通りキッチュで倒錯的だが、「新宿」をある象徴として表現するための方式は、未だこの「新宿展」以降発明されていないようにも思える。
この展覧会では、変形され、ある種理想化された歪な新宿の姿から現在の新宿、ひいては都市の100年を考えてみようと思う。
「新宿展」に際して多木浩二は2000枚あまりの新宿の写真を残した。プライベートな経験のスナップが並んだこの写真たちには、1975年の多木の視線が折り畳まれている。そこから多木浩二モデルとしての新宿を分析し、展開することで、あり得る都市の姿を描写したいと思う。それは2025年の多木のいない多木の新宿を生成することであり、私たちの知らない私たちの新宿へ身を投企することになるはずである。
会場:WHITEHOUSE
日時:11/1(土)〜11/16(日)13:00-22:00
(※11/16(日)まで開催)
料金:500円 または BENTEN2 チケット
キュレーション:涌井智仁
アーティスト:GROUP
リサーチ協力:吉見俊哉、中川道夫、多木陽介、早稲田大学空間映像研究室
【対談イベント】
◆11/2(日)19:00-20:30
吉見俊哉×卯城竜太 (Chim↑Pom from Smappa!Group)
会場:王城ビル
◆11/3(月)15:00-17:00
吉見俊哉×伊東豊雄
会場:WHITEHOUSE
●トークショーは定員に達したため、受付を締め切りました
本展示は、新宿の3会場で構成される「生きられた新宿」(https://www.ikiraretashinjuku.com/)の一環として開催されます。

GROUP
建築プロジェクトを通して、異なる専門性を持つ人々が仮設的かつ継続的に共同できる場の構築を目指し、建築設計・リサーチ・施工をする建築コレクティブ。 主な活動として、設計・施工「夢洲の庭」(大阪府、2025)、設計・運営「海老名芸術高速」(神奈川 県、2021)、設計・施工「新宿ホワイトハウスの庭」(東京都、2021)、企画・編集「ノーツ」 (NOTESEDITION、 2021、2024)、設計「EASTEAST_TOKYO」(アートフェア会場構成、2023)、グ ループ展「InvolvementRain/Water passage」(金沢21世紀美術館DXP展、2023)、個展「島をつくる | Planning Another Island」(MYNAVI ART SQUARE、2024)、「手入れ/Repair」(WHITEHOUSE、 2021)など。
HP: https://www.groupatelier.jp/


伊東豊雄
1941年生まれ。東京大学工学部建築学科卒業。菊竹清訓建築設計事務所勤務後、伊東豊雄建築設計事務所を設立。主な作品に「中野本町の家」、「シルバーハット」、「八代市立博物館・未来の森ミュージアム」、「せんだいメディアテーク」、「多摩美術大学図書館(八王子キャンパス)」、「みんなの森 ぎふメディアコスモス」、「台中国家歌劇院」、「2025年日本国際博覧会 EXPOホール」。日本建築学会賞、ヴェネチア・ビエンナーレ金獅子賞、プリツカー建築賞などを受賞。2011年にこれからのまちや建築のあり方を考える場として私塾「伊東建築塾」を設立。愛媛県今治市大三島で継続的なまちづくりの活動にも取り組んでいる。
撮影:藤塚光政
吉見俊哉
1957年生まれ。社会学者。國學院大学観光まちづくり学部教授、東京大学名誉教授。上演論的アプローチから都市論、メディア論を展開、日本のカルチュラル・スタディーズで中心的な役割を果たしてきた。長く東京大学で教え、大学院情報学環長、大学総合研究センター長、教育企画室長、同大学副学長、東京大学新聞社理事長、東京大学出版会理事長、日本マス・コミュニケーション学会会長、デジタルアーカイブ学会長、東京文化資源会議会長などを歴任。主な著書に、『都市のドラマトゥルギー』(河出文庫)、『博覧会の政治学』(講談社学術文庫)、『東京裏返し』(集英社新書)、『敗者としての東京』(筑摩書房)等、多数。

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